近年、家の住まい方が様変わりしている。と言うのは、同居するつもりの子供たちは、県内に仕事が無い為に県外に出てしまう。たとえ県内に残ったとしても、結婚を機に独立して家を建てる。しかも嫁の実家の近くに。残った老夫婦は、そうこうしているうちに、生活の拠点が自宅から施設になり、家具道具満載の家が残る。一代限りの家が。何とももったいない話だが、これも時代の変化である。
秋田県の賃貸住宅の空き家率は20%を超えた。理想の空き家率は10%くらいと言われる。それでもアパートはどんどん生産されている。これはそのアパートを建てる業者の受注事情だけで増え続けている。
すでに賃貸住宅は過剰を極めているのだ。少子化は、将来に向かって入居者が激減することを表している。更に現存しているアパートも、入居者が多少なり居る限り存続する事と思える。空き家、空室だらけのこの先を想うと、いったいどうなるのだろう。しかし成る様に成るのだ。世の中は。
今後のアパート建設は、大家さんのふところに余裕があり、いい住まいを提供したくて造るのなら、それもいいと思う。ただ、将来に向けての投資で、まして借金でギリギリのやりくりなら、止めるべきだ。相続税対策も、良く計算してみたら税金を納める方が、手元に残るお金が多い例もあるようだ。
今、入居率の悪い貸空室をお持ちの方は、リフォームで魅力的なお部屋を提供できる手段もある。決して捨てたものではない。古いもの、古い住まい、古い人、工夫によってまだまだ使い道がある。