今月、「たわごと」を楽しみに読んでくださっているという方から、無記名で手紙をいただいた。その文中にかわら版に、ある特定の人物に訴える為の伝言を載せてほしいとの要望があった。しかし、伝言はこの紙面の本来の趣旨ではないので、載せることは叶わない。先駆けて、お礼のものが同封されていた。送り主も分からないから返しようも無い。
でも、読者の方も切実な様子の文章であるので、一行だけご紹介したい。「50年も愛用していた、くけ台を是非返して下さい」何のお手伝いにもならなくて申し訳ないが、これでご勘弁願いたい。しかし伝えたい相手が、この紙面に目を通しているかどうか、更に要望が叶うかは分からない。
同封されていたお礼は頂くわけにはいかないが、返しようもないので現金に換算の上「かわら版読者」名義で熊本の地震見舞金として寄付をさせていただいた。
それにしても東日本大地震からわずか5年、あのような災害が起こると誰が予想したものだろうか。それを考えると、決して秋田も雪の心配ばかりしておけばいいとは限らない。
私も市販の防災グッズこそ用意していないが、電灯やヘルメット、カップ麺や保存のきくご飯は用意している。水も貯め置きしているものの、長期保存には心配だ。そこで、のど越しのいい缶ビールを箱で保存している。これでしばらくは耐えることが出来ると安心していたが、中身が徐々に減っていく。災害を待ち切れず、誰かが持っていったのだろう。